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ホーム知られざる名曲>ブルッフ 交響曲第2番へ短調


 現在はブルッフと言うとバイオリン協奏曲とあとはせいぜいスコットランド幻想曲やコル・ニドライが知られている程度であり、バイオリンに興味のない人にとっては単なるマニアックな作曲家だ。そんな扱いをされてるにもかかわらず、生前はドイツ音楽の第一人者的な存在だったと言うのだから世の中どうなるかわかったもんじゃない。とにかく実力はブラームスに匹敵するといっても過言ではない。
ところでブルッフはバイオリンを好んで用いた。彼自身は全くこの楽器を弾けないにもかかわらず。その理由を彼はこう語ったという。
"because it can sing a melody,and melody is the soul of music."

 ブルッフは交響曲を全部で3曲作曲している。いずれもシューベルトやメンデルスゾーンを想わせるような美しいメロディーにあふれる曲で、とても20世紀まで生きていた人の書いた曲とはとても思えない。実際この曲の旋律の美しさはベートーベンやブラームスを軽くしのいでいる。3楽章の主題など厚みのあるいかにもドイツの音楽だが、3連符を多用しているあたりがいかにもブルッフらしい。ドイツ音楽の核をなすリズムをある程度犠牲にしてでも美しい旋律を追い求めるという姿勢が伝わってくる。曲の構成もいたって古典的、ただしこの2番に関しては3楽章より構成されている。つまりスケルツォ楽章がないような形となっている。しかしそのことによって内容的に物足りなさを感じることはない。

 シューベルトやメンデルスゾーンが好きならばまずこの曲が嫌いということはないだろう。難しいことは分からないけど、とにかくきれいな曲が聴きたいという人にうってつけ。と言うよりこの曲を聴くのに難しいことを考えてはいけない。

参考CD
クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1977年録音 PHILIPS